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執筆者の写真まつだたく

2/20 本堂に面する倉庫のご開帳(DIYメモ)

更新日:2024年12月20日

2022年2月20日。今日は、本堂に面する倉庫の前に立つ。この倉庫、長らく「開かずの間」となっていた。扉の鍵が壊れていて、誰も中を見たことがないという。地域の方々に尋ねても、「何が入っているかは分からないねぇ」と首をかしげるばかり。そんな状態が続いていたが、流石に中身が分からないままというのも気持ちが悪い。今日は妻と一緒に、この謎の倉庫を開けることにした。





「本当に開けるの?」と妻が少し不安そうに聞いてくる。「いや、流石に何が入ってるか分からないのは気持ち悪いだろ? 今日こそ開けてみる!」と意気込む私。とはいえ、正直なところ一人で開けるのは怖かった。だって何が飛び出してくるか分からないし、万が一のこと(何らかの白骨化した屍が・・・など)があったら困る。だから、妻がいるタイミングを狙っての作業だ。



鍵が壊れている以上、普通に開けるのは無理だ。そこで、滅多に使わないグラインダーを持ち出すことにした。「これ、ちゃんと使えるの?」と妻が心配そうに聞く。「大丈夫、久しぶりだけど、ちゃんと動くはずだよ」と答えながらも、内心は少し不安だ。グラインダーを手にすると、なんだか金庫破りにでもなった気分だ。「よし、いくぞ!」と声をかけ、作業を開始。



グラインダーの刃が金属の蝶番に触れると、ジジジジッという音とともに火花が飛び散る。「おお、すごい火花!」と妻が驚きの声を上げる。「まるで映画の金庫破りもしくは、脱獄シーンみたいだ」と私も笑いながら作業を続ける。火花が散るたびに、少しずつ蝶番が削れていくのが分かる。妻が「なんかドキドキしてきたね」と言うのを聞いて、私も少し緊張感が高まる。時間はかかったが、ついに蝶番を切断し、扉を開けることができた。



「いよいよだな…」と妻と顔を見合わせ、ゆっくりと扉を押し開ける。扉が開いた瞬間、倉庫の中からひんやりとした空気が流れ出す。恐る恐る中を覗き込むと、そこには長い間眠っていた品々が姿を現した。古びた木箱、埃をかぶった布袋、そして生活感のある古新聞など。さらに奥には、地域のお祭りで使われていたと思われる飾りや道具が見つかった。



「これ、すごいね。まるでタイムカプセルみたい」と妻が感嘆の声を上げる。古新聞の日付を見ると、昭和初期のものが多い。記事には当時の地域の出来事や、懐かしい広告が並んでいる。「こんな時代があったんだなぁ」と思わず感慨深くなる。お祭りの飾りは、色あせてはいるものの、かつての賑やかな光景を想像させる。「これを作った人たちは、毎年ここでお祭りを楽しんでいたんだろう」と妻と話しながら、品々を一つ一つ確認していく。



倉庫の中を整理しながら、ふと「これは、予期せずバトンを渡されてしまった気がする」と感じた。地域の歴史を感じさせるこれらの品々は、ただの古い物ではなく、過去から未来へとつながる大切な記録だ。私たちがこの倉庫を開けたことで、そのバトンを受け取ったのだと思うと、少し身が引き締まる思いがした。



「これ、どうする?」と私が妻に聞く。「うーん、まずはちゃんと整理して、地域の人たちにも見てもらえるようにしたいな」と妻が答える。作業を終え、倉庫の扉を閉める頃には、すっかり日が傾いていた。冷たい風がまた吹き抜ける中、「次はこれらの品々をどう活かしていくかを考えないとな」と妻と話しながら帰路に着いた。



今日の作業は、ただの倉庫整理ではなく、地域の歴史と向き合う一歩だったのかもしれない、そう感じる日となった。

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