2022年1月9日。ここ山の家は、かつて集落の集会所として賑わい、その後は研修所として多くの人々が宿泊できる設備を備えていました。歴史を感じさせるこの場所には、今もなお当時の面影を残す「薪風呂」が健在です。二つある風呂のうちの一つは、今も薪でお湯を沸かすことができるのです。
残念ながら、石油バーナーの機能は故障してしまっていますが、少しだけ手間はかかるものの薪だけでも問題なくお湯を沸かすことができます。私自身、薪風呂を使うのは初めての経験でした。冬の寒さが厳しいこの時期は水道水の水温が低いため、お湯を沸かすには時間がかかりますが、しかし、その過程もまた楽しみの一つと受け止めることもできますね。
薪をくべて火を起こし、じっくりとお湯が温まるのを待つ時間は、現代の忙しさを忘れさせてくれる貴重なひとときです。大きめの薪を燃やしておけば、しばらくの間は放っておいてもホカホカとお湯が沸き続けます。薪の燃える音や香りが、心を落ち着かせてくれる不思議な効果も期待できます。
そして、何よりも驚いたのは、薪で沸かしたお湯の柔らかさです。電気やガスで沸かすお湯とは一味も二味も違う、独特のまろやかさがあります。これは実際に入浴してみないとわからない感覚かもしれません。肌に触れるお湯が優しく包み込んでくれるようで、心身ともにリラックスできるのです。
薪風呂に浸かりながら、かつてこの場所で多くの人々が集い、語り合ったであろう時間に思いを馳せました。集落の集会所としての役割を終えた後も、研修所として多くの人々を迎え入れたここ山の家は、今もなおその温かさを保ち続けているように思います。
薪風呂の魅力は、単にお湯を沸かすだけではなく、その「過程」や「体験」そのものにあるとも言えます。現代の便利さに慣れた私たちにとって、薪を使ってお湯を沸かすという行為は新鮮で、どこか懐かしい気持ちにさせてくれます。
この山の家での薪風呂体験は、私にとって特別な思い出となりました。自然の力を借りてお湯を沸かし、その温もりを全身で感じることができる贅沢な時間。これからもこの場所で、薪風呂の魅力を多くの人に伝えていきたいと思います。薪の香りとともに、心も体も温まるひとときを、ぜひ多くの皆さまに体験して欲しいと思っています。
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